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特別支援学級の担任は何をする?仕事内容・1年間の流れ

初めて特別支援学級を担任すると、

「何から手をつければよいのだろう」
「通常学級の担任とは、何が違うのだろう」
「授業だけでなく書類や連携も多そうだけれど、全部どう回せばいいのだろう」

と感じることがあります。

特別支援学級担任の仕事は、授業だけではありません。

子どもの実態を把握する。
教室環境や授業を整える。
個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成・見直す。
交流学級、支援員、校内の先生方と連携する。
保護者と情報を共有する。
日々の姿を記録し、評価や通知表、次年度への引き継ぎにつなげる。

一つひとつを見ると仕事は多いのですが、すべてが別々に存在しているわけではありません。

基本的には、

子どもの姿を見る
→ 支援を考える
→ 実践する
→ 周囲と共有する
→ 記録する
→ また支援を見直す

という流れを、1年間繰り返していく仕事です。

この記事では3学期制を想定しながら、特別支援学級担任の仕事の全体像と、1年間のおおまかな流れを整理します。

※学校や学級種によって仕事内容や校内での役割には違いがあります。本記事は、主に小学校の情緒学級担任としての実践経験をもとにまとめています。

特別支援学級担任の主な仕事

大きく分けると、次のような仕事があります。

仕事主な内容
実態把握子どもの姿を見て、得意なこと・困り・必要な支援を考える
授業・環境づくり学びやすい教室、日課、授業の流れを整える
個別の計画目標・手立て・評価を整理し、支援を更新する
校内連携交流学級、支援員、校内職員と情報や役割を共有する
保護者連携家庭での姿を聞き、学校での頑張りや成長を伝える
記録・評価日々の姿を残し、支援・通知表・引き継ぎなどに活用する
年間の調整1年間を見通し、最後は次年度へ支援をつなぐ

ここから、それぞれ簡単に見ていきます。

まずは子どもの実態を把握する

最初に大切なのは、目の前の子どもを知ることです。

ただし、4月の数日間ですべてを理解する必要はありません。

まずは前年度までの引き継ぎ資料や個別の計画に目を通し、

  • 好きなこと・得意なこと
  • 苦手なことや不安になりやすい場面
  • これまで機能していた支援
  • 本人や保護者の思い
  • 前年度までの担任の見立て

などを確認しておきます。

そのうえで、実際に子どもと関わりながら今年度の姿を見ていきます。

私自身は、関係づくりでは「できたことを一緒に喜ぶ」ことを特に大切にしていました。

一方で、何でも許せばよいわけではありません。

教室でのルール、物の置き場所、一日の予定、困ったときの動き方など、子どもが見通しを持ちやすい環境も同時に整えていきます。

その土台を作ったうえで、

「この支援は必要そうだ」
「これはなくても大丈夫そうだ」
「ここはもう少し分かりやすくした方がよい」

と、必要なものを足したり、余分なものを引いたりしながら調整していきます。

特別支援学級では、その場で起きたことに毎回答えるだけでなく、問題が起こりにくい環境や流れを事前に作ることの比重がかなり大きいと感じています。

実態把握の具体的な方法や、関係づくり、教室環境については別の記事で詳しくまとめています。

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授業・日課・時間割を整える

授業も、特別支援学級担任の中心的な仕事です。

ただし、複数の学年や異なる進度の子どもを同時に見る場合、通常学級と同じ感覚で一斉授業を組み立てるのは難しくなります。

そのため、授業や日課にはある程度の「型」を作っておくことをおすすめします。

先生と一緒に取り組む時間。
自分で進める時間。
終わった後にすること。
困ったときの動き方。

こうした基本的な流れが決まっていると、子どもは見通しを持ちやすくなり、教師側も毎時間一から授業を組み立てずに済みます。

一日の予定についても同じです。

もちろん、子どもの実態や交流学級の時間割、学校行事などによって変更は必要です。

それでも、大枠となる日課や授業の流れを作り、必要な部分だけ調整する方が、日々の仕事は安定しやすくなります。

45分授業の具体的な組み立て方や、複数学年を同時に見る方法については別記事で紹介しています。

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個別の教育支援計画・個別の指導計画を活用する

特別支援学級ならではの重要な仕事の一つが、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成・活用です。

名前だけを見ると「書類作成の仕事」に見えますが、本来はそれだけではありません。

本人や保護者がどのようなことを願っているのか。

現在どのような姿が見られるのか。

何を目標にするのか。

どのような支援をするのか。

実際にやってみてどうだったのか。

こうした情報を整理し、関係する人へつないでいくための資料でもあります。

担任として特に大切なのは、日々の実践を通して、

「この子には、何をすると上手くいきやすいのか」

を少しずつ更新していくことです。

前年度の計画は重要な手がかりですが、それをそのまま固定して使うのではなく、今年度の子どもの姿を見ながら見直していきます。

計画の読み方や、実態から目標・手立てを作る方法については別記事で詳しく解説しています。

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交流学級・支援員・校内の先生と連携する

特別支援学級担任の仕事を考えるとき、私が特に重要だと思っているのが**「つなぐこと」**です。

通常学級でも連携はもちろん必要です。

ただ、特別支援学級では、一人の子どもについて交流学級担任、専科、支援員、特別支援教育コーディネーター、管理職など、複数の大人が関わる場面が多くあります。

そのため、

「誰が何を知っているか」
「どこまで支援するか」
「何かあったら誰に戻すか」

といった情報や役割をつなぐ仕事の比重が大きくなります。

逆に言えば、ここを一人で抱え込むと仕事量は急激に増えます。

すべて自分で対応するのではなく、必要な情報を必要な人へ渡し、それぞれが動きやすい状態を作る。

この力を身につけることのリターンは非常に大きいです。

交流学級との予定・様子の共有、支援員への依頼、同僚との相談の仕方などは、それぞれ別の記事で詳しくまとめています。

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保護者と連携する

保護者との連携も重要な仕事です。

保護者は、学校とは違う場面で長く子どもの姿を見てきています。

家庭ではどのように過ごしているのか。

何に困っているのか。

どのような成長を願っているのか。

どのような方法なら上手くいきやすいのか。

こうした情報を聞くことは、学校で支援を考えるうえでも大きな手がかりになります。

同時に、学校で見られた子どもの姿を家庭へ返すことも大切です。

特に、困ったことが起きたときだけ連絡するのではなく、

「今日はこんなことを頑張っていました」
「以前よりここができるようになっています」

といった成長や頑張りを普段から伝えられる仕組みがあると、連携しやすくなります。

私自身は、小さなカードにその日の頑張りを書いて家庭へ渡す実践も行っていました。

詳しい方法や保護者との情報共有の考え方は、別の記事で紹介しています。

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記録を残し、通知表や支援の見直しにつなげる

特別支援学級では、子どもの姿を記録しておくことも重要です。

ただし、「書類を増やすために記録する」というより、

一度残した記録を、複数の仕事に使う

という感覚の方が近いです。

日々の記録は、

  • 実態把握
  • 支援の見直し
  • 個別の指導計画
  • 保護者との共有
  • 通知表
  • 年度末の振り返り
  • 次年度への引き継ぎ

などにつながります。

記録するときに意識したいのは、後から読んだときに具体的な子どもの姿が分かることです。

「落ち着かなかった」
「頑張っていた」

だけではなく、

「どの場面で」
「何をして」
「どのような支援があると」
「その後どうなったのか」

が分かる事実を少しずつ残します。

数字で表せる内容なら数字も材料になりますが、すべてを数値化する必要はありません。

記録の具体的な方法や、そこから通知表所見を作る方法については別記事で詳しくまとめています。

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1年間は「関係づくり・試す→洗練・チャレンジ→まとめ・引き継ぎ」で考える

1年間の仕事を大きく捉えると、私は次のように考えています。

1学期|関係を作りながら、実態を把握して試す

まずは子どもとの関係を作ります。

同時に、これまでの情報と今年度の姿を照らし合わせながら、

「どの環境なら過ごしやすいか」
「どの支援が機能するか」
「どの程度なら自分でできるか」

を探っていきます。

1学期は、最初から完璧な支援を作る期間というより、実態を見ながらいろいろ試し、今後の土台を作る期間です。

2学期|支援を洗練しながら、少しチャレンジする

1学期を過ごすと、機能した支援と、あまり必要なかった支援が少しずつ見えてきます。

2学期は、新しい支援を次々と足すよりも、上手くいったものを残し、不要なものを減らしながら支援を洗練していきます。

その土台があるからこそ、行事や交流学級での活動、新しい学習など、少し難しいことにもチャレンジしやすくなります。

3学期|成果を整理し、次年度へつなぐ

3学期は、1年間で何が変わったのかを整理します。

できるようになったこと。

今も必要な支援。

上手くいきやすい環境。

本人や保護者の願い。

次年度に引き継いでほしいこと。

これらを整理し、次に関わる人へ渡していきます。

ただし、この流れは固定ではありません。

2学期や3学期になっても「最近なんだか上手くいかない」と感じるのであれば、支援を増やす前に、教室環境や日課、関係性といった土台から見直してよいと思います。

時期ごとの具体的な仕事や準備については、年間準備の記事などで詳しく整理しています。

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まずは、

  1. 一緒に動く先生や支援員と役割を確認する
  2. 引き継ぎ資料から子どもの重要な情報を拾う
  3. 教室環境と一日の流れを整える
  4. 授業の基本的な型を用意する
  5. 1学期の予定と重要な書類の締切だけ確認する

この程度から始めればよいと思います。

特に、連携・環境づくり・実態把握には早めに時間を使う価値があります。

反対に、突発的な対応方法や教材・活動のネタを最初から大量に集める必要はありません。

教師が多くの技術やネタを持つこと自体は大切です。

ただ、技術は「この子の、この場面に必要だ」と分かって初めて生きます。

技術を先に増やすより、

目の前の子どもを見る。
上手くいきやすい条件を見つける。
必要になった技術を使う。

という順番の方が、長期的には仕事を回しやすくなります。

4月に押さえておきたいことについては、別の記事でより具体的に整理しています。

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一方で、交流学級でしか見えない姿は交流学級担任から教えてもらう。

支援員にお願いできることは具体的に共有してお願いする。

判断に迷うことはコーディネーターや管理職へ相談する。

必要な人へ情報をつなぐ。

子どもを中心にして、チーム全体で支援を回していくことも、特別支援学級担任の仕事の一部です。

まとめ|仕事を一つずつではなく、つながりで考える

特別支援学級担任には、さまざまな仕事があります。

しかし、それぞれを別々の仕事として考える必要はありません。

子どもの姿を見る。
環境や授業を整える。
支援を試す。
周囲と情報を共有する。
記録する。
記録から支援を見直す。
最後に、次年度へつなぐ。

基本的には、この流れを1年間繰り返しています。

初めからすべてを完璧にこなす必要はありません。

まずは子どもとの関係を作り、過ごしやすい環境を整え、目の前の姿を見るところから始めてみてください。

それぞれの仕事について詳しく知りたい場合は、以下の記事で具体的な方法をまとめています。

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