保護者・校内連携

情緒学級担任と交流学級担任の連携|予定・様子・所見をどう共有するか

今回は、情緒学級担任と交流学級担任の連携について書いていきます。

特別支援学級に在籍している子どもは、通常学級の子どもたちと一緒に授業や活動に参加することがあります。

いわゆる「交流学級」での学習です。

交流学級での授業は、情緒学級だけでは得にくい経験を積む貴重な場です。

通常学級の友達と同じ空間で授業を受ける。

集団の中で活動する。

専科の授業に参加する。

行事や学年の活動に加わる。

こうした経験は、子どもにとって大切な学びになります。

ただし、交流学級での学習は、単に「通常学級に行けばよい」というものではありません。

情緒学級担任が交流先に任せきりにしてしまうと、子どもの様子が見えにくくなります。

また、交流学級担任や専科の先生に負担が偏ってしまうこともあります。

だからこそ、予定・様子・所見をどう共有するかが大切になります。

この記事では、情緒学級担任として、交流学級担任や専科の先生とどのように連携していくとよいのかをまとめます。

交流学級での学びは、貴重な経験の場

交流学級とは、特別支援学級に在籍している子どもが、通常学級の子どもたちと一緒に授業や活動に参加する場・機会のことです。

交流学級での授業は、子どもにとって成長の機会になります。

ただ、最初から大きな成果を求めすぎなくてもよいと思います。

交流学級で学習内容をどれだけ理解できたか。

通常学級の友達とどれだけ関われたか。

集団の中でどれだけ安定して過ごせたか。

そうした視点も大切ですが、それ以前に、通常学級の中で経験を積むこと自体に意味があります。

情緒学級では経験しにくい集団の雰囲気。

同じ学年の子どもたちとの関わり。

専科の先生による授業。

学年全体で動く活動。

そうした場に参加することは、それだけで大切な経験になります。

もちろん、無理に参加すればよいわけではありません。

本人の実態や負担を見ながら、参加する授業や活動を考えていく必要があります。

参加する授業は、本人の実態と保護者の意向を踏まえて決める

交流学級でどの授業に参加するかは、本人の実態と保護者の意向を踏まえて決めていきます。

本人が参加しやすい教科は何か。

苦手さが強く出やすい教科は何か。

友達との関わりが生まれやすい活動は何か。

不安や混乱が起きやすい場面はどこか。

保護者は、交流学級での参加についてどのような希望を持っているのか。

こうした点を踏まえて、参加する授業を考えます。

また、交流学級の状況も無視できません。

交流学級の人数。

授業の進め方。

教室環境。

交流学級担任の見通し。

専科の授業かどうか。

こうしたことも関係します。

交流学級での参加は、学校全体の体制の中で決まることが多いです。

ただし、実際に授業を受け入れる交流学級担任にも、学級の状況や授業の流れがあります。

必要に応じて、事前に子どもの様子を共有したり、受け入れ方を相談したりすることが大切です。

交流学級担任が受け入れてくれることを、当たり前のように受け取らない。

ここは大切にしたいところです。

【関連記事】個別の教育支援計画・指導計画を読むときのポイント|子どもと保護者理解につなげる

交流先に任せきりにしない

交流学級で授業を受けている時間は、情緒学級担任からは直接見えにくい時間です。

そのため、交流先での様子を把握しないままにしていると、子どもがどのように過ごしているのか分かりにくくなります。

授業に参加できているのか。

友達との関わりはどうか。

困っている場面はあるのか。

どのような支援があると参加しやすいのか。

本人は頑張っているのか。

それとも、かなり無理をしているのか。

こうしたことは、情緒学級担任が自分から拾いに行く必要があります。

通常学級担任や専科の先生に任せきりにしないことが大切です。

もちろん、交流学級担任にも授業や学級経営があります。

毎時間細かく報告してもらうことは現実的ではありません。

だからこそ、無理のない形で、定期的に情報を共有する仕組みを作ることが大切です。

週1回程度、交流先での様子を確認する

交流学級での様子は、週1回程度を目安に確認できるとよいです。

毎時間確認しようとすると、交流学級担任や専科の先生にも負担がかかります。

一方で、学期に一度だけでは、子どもの変化や困り感に気づくのが遅くなることがあります。

そのため、週1回程度の確認は現実的なラインだと思います。

確認するときには、細かく聞きすぎなくてもよいです。

たとえば、次のような観点で十分です。

授業に参加できていたか。

困っている場面はあったか。

友達との関わりはどうだったか。

支援が必要だった場面はあるか。

頑張っていたことは何か。

最近気になる変化はあるか。

こうした情報を少しずつ集めておくことで、交流学級での様子が見えやすくなります。

また、専科の先生が担当している授業に参加している場合は、交流学級担任だけでなく、教科担当の先生から情報をもらうことも必要になります。

子どもがどの授業に参加しているのか。

その授業を誰が担当しているのか。

どの先生から情報をもらうとよいのか。

ここを把握しておくことも、情緒学級担任の大切な仕事です。

【関連記事1】情緒学級で子どもとの約束を共有するには?担任だけのルールにしないために

【関連記事2】情緒学級担任が同僚と関係を作るには?相談しやすいチームを作る考え方

交流先での頑張りを、情緒学級でも価値づける

交流学級での様子を確認することは、困り感を把握するためだけではありません。

子どもの頑張りを拾うためにも大切です。

交流先で頑張っていたことを知っておけば、情緒学級の教室で本人に返すことができます。

「音楽で最後まで参加できたんだってね」

「理科で友達と一緒に活動できたって聞いたよ」

「体育で順番を待てたんだね」

「交流学級で発表できたんだって。すごいね」

このような声かけは、子どもにとって大きな意味を持つことがあります。

自分の頑張りを見てもらえている。

交流先での姿も、担任が知ってくれている。

できたことを認めてもらえた。

そう感じられると、交流学級での経験が成功体験として積み上がりやすくなります。

交流先での情報は、単なる報告ではありません。

子どもの成長や自信につなげるための材料です。

だからこそ、情緒学級担任は、交流先での様子をできるだけ拾っておきたいところです。

気になることは早めに共有する

交流学級で気になる様子があれば、早めに共有することが大切です。

たとえば、交流先で落ち着かない様子が増えている。

特定の教科に行き渋るようになっている。

友達とのトラブルが出ている。

授業中に離席が増えている。

参加後に情緒学級で疲れが強く出ている。

こうした様子がある場合は、早めに交流学級担任や専科の先生と共有します。

逆に、情緒学級側で気になる様子がある場合も、交流先に伝えておくとよいです。

朝から不安定だった。

家庭で疲れが出ているようだ。

前日のトラブルを引きずっている。

予定変更に不安が出ている。

その日の交流授業が負担になりそうだ。

こうした情報を事前に共有しておくことで、交流先でも配慮しやすくなります。

大切なのは、問題が大きくなってから共有するのではなく、小さな違和感の段階で共有することです。

早めに共有できれば、対応も小さく済むことがあります。

【関連記事】情緒学級で問題行動をどう見るか|前後関係から見立てを作るポイント

予定共有は早めに仕組みにする

交流学級との連携では、予定の共有も重要です。

特別支援学級には、異なる学年の子どもが同じ学級に在籍していることがあります。

その場合、各学年の予定、交流学級の時間割、行事予定、専科の授業、持ち物、変更点などを早い段階で把握しておく必要があります。

予定の共有が遅れると、特別支援学級全体の予定が組みにくくなります。

また、保護者への連絡や子どもへの見通し支援も遅れます。

そのため、翌週の交流学級の予定は、できれば前の週の水曜日頃までに共有してもらえると動きやすいです。

遅くとも木曜日の朝までには分かると、特別支援学級側で予定を組みやすくなります。

たとえば、次のような流れです。

月曜日・火曜日に、特別支援学級側で翌週の予定をざっくり確認する。

水曜日までに、交流学級の翌週予定を共有してもらう。

水曜日・木曜日に、特別支援学級全体の予定表を作成する。

金曜日に、子どもや保護者へ翌週の予定を共有する。

このように流れを作っておくと、毎週の予定確認が安定しやすくなります。

もちろん、学校によって予定の出し方や共有方法は異なります。

大切なのは、毎回その場その場でお願いするのではなく、仕事の流れとして予定共有が回るようにしておくことです。

可能であれば、各学年の週予定や学年通信なども共有してもらえるようにしておくと、特別支援学級側の調整がしやすくなります。

【関連記事】情緒学級担任が4月からやっておきたい年間準備|事務・予定・情報共有で崩れないために

教師間用と保護者用のフォーマットを分ける

予定共有では、教師間で使うフォーマットと、保護者へ渡すフォーマットを分けて考えるとよいです。

教師間で使う予定表には、細かい調整情報が必要になります。

交流に行く時間。

交流先の教室。

付き添いの有無。

支援員の動き。

専科の担当。

行事や時間割変更。

その日の配慮事項。

一方で、保護者に渡す予定表は、家庭で準備しやすい形であることが大切です。

来週の流れ。

交流に行く教科。

行事予定。

持ち物。

下校時刻。

家庭で準備してほしいこと。

このような情報が分かると、保護者も見通しを持ちやすくなります。

教師間で共有するためのフォーマット。

子どもや保護者に渡すためのフォーマット。

この2つを持っておくと、予定の把握と情報共有がかなりしやすくなります。

ただし、予定表作成の方法は、それだけで一つの記事になる内容です。

ここでは、交流学級との連携において、早めの予定共有が重要だという点を押さえておけばよいと思います。

所見依頼は余裕を持って行う

学期末になると、通知表の所見を書く必要があります。

特別支援学級の通知表は、文章での記述が中心になることがあります。

その場合、交流学級での様子については、実際に授業を担当している先生から情報をもらう必要があります。

交流学級担任。

専科の先生。

教科担当の先生。

その授業を見ている先生に、子どもの様子を書いてもらうことになります。

ここで大切なのは、学期末に急に依頼しないことです。

学期末は、どの先生も忙しいです。

そのタイミングで急に、

「交流での様子を書いてください」

とお願いすると、相手の負担が大きくなります。

そのため、所見依頼は余裕を持って行います。

できれば、記入用のフォーマットを作っておくとよいです。

たとえば、次のような項目を入れておきます。

所属学級。

交流クラス。

児童名。

教科。

教科担当。

授業での様子。

頑張っていたこと。

支援が必要だった場面。

記入締切。

このような形があると、依頼された側も書きやすくなります。

また、先生によって、紙の方が書きやすい場合もあれば、電子データの方が書きやすい場合もあります。

可能であれば、紙かデータかを選べるようにしておくとよいです。

一度フォーマットを作っておくと、特別支援学級のチームで長く使い回すことができます。

こうした型を作っておくことは、担任個人だけでなく、学校全体の仕事のしやすさにもつながります。

【関連記事】情緒学級の実態把握|子どもの姿を記録して見立てを作る方法

交流学級担任に負担をかけすぎない

交流学級での様子を知ることは大切です。

しかし、交流学級担任や専科の先生に負担をかけすぎないことも大切です。

毎回長い記録を書いてもらう。

細かい観点を大量に渡す。

直前に所見を依頼する。

何度も同じことを確認する。

こうしたやり方では、連携が続きにくくなります。

交流学級担任にも、自分の学級の子どもたちがいます。

授業準備があります。

学級経営があります。

そのことを踏まえて、依頼はできるだけシンプルにします。

たとえば、普段の様子確認であれば、

「今週、交流で頑張っていたことはありますか」

「困っていそうな場面はありましたか」

「次週に向けて共有しておいた方がよいことはありますか」

このくらいでも十分です。

所見依頼も、書いてほしい観点を絞っておくと、相手が書きやすくなります。

大切なのは、情報をもらう側である情緒学級担任が、相手の負担を減らす工夫をすることです。

感謝を伝える

交流学級担任や専科の先生には、感謝を伝えることも大切です。

これは単なる礼儀の話ではありません。

連携を続けるための土台です。

交流学級で受け入れてもらう。

授業中の様子を見てもらう。

困った場面で声をかけてもらう。

所見を書いてもらう。

予定を共有してもらう。

こうしたことは、情緒学級担任だけではできません。

交流学級担任や専科の先生の協力があって成り立っています。

だからこそ、

「いつもありがとうございます」

「様子を教えてもらえて助かります」

「教えていただいたことを、本人にも伝えました」

「その情報が支援に生かせました」

このように、感謝と活用した結果を返していくことが大切です。

情報をもらいっぱなしにしない。

受け入れてもらって当然と思わない。

交流先の先生も一緒に子どもを支えてくれている存在として関わる。

この姿勢が、連携を安定させます。

連携は善意だけでなく、仕組みにする

交流学級との連携は、先生同士の善意だけで回すと不安定になりやすいです。

忙しい時期には、情報共有が抜けることがあります。

担当者が変わると、やり方が分からなくなることがあります。

学期末に依頼が集中すると、負担が大きくなることがあります。

だからこそ、予定表や依頼用紙などの型を作っておくことが大切です。

週予定をいつ共有するのか。

誰が予定を集めるのか。

誰が特別支援学級全体の予定表を作るのか。

交流先での様子をどのように確認するのか。

所見依頼はいつ、どの形式で出すのか。

こうした流れを決めておくと、仕事が安定します。

特別支援学級の担任は、子どもの支援だけでなく、関係者との調整も多い仕事です。

だからこそ、毎回気合いで乗り切るのではなく、仕組みで回せる部分は仕組みにしておくことが大切です。

【関連記事1】情緒学級とは何か?

【関連記事2】情緒学級担任になったら4月に何をする?最初に押さえたい5つのこと

まとめ

交流学級での授業は、情緒学級だけでは得にくい経験を積む貴重な場です。

通常学級の友達と同じ空間で学ぶこと。

集団の中で活動すること。

専科の授業に参加すること。

学年の活動に加わること。

そうした経験は、子どもにとって大切な学びになります。

ただし、交流学級での参加を、交流先に任せきりにしないことが大切です。

情緒学級担任は、交流先での様子を自分から拾いに行く必要があります。

週1回程度、交流学級担任や専科の先生から様子を聞く。

気になることは早めに共有する。

交流先での頑張りを、情緒学級でも価値づける。

予定は早めに共有できるよう、仕事の流れに組み込む。

所見依頼は余裕を持って行う。

交流学級担任や専科の先生に感謝を伝える。

こうしたことを積み重ねることで、交流学級での学びは安定しやすくなります。

交流学級との連携は、気合いや善意だけで回すものではありません。

予定・様子・所見を共有するための型を作り、無理なく続けられる仕組みにしていくことが大切です。

その仕組みがあることで、子どもの経験をよりよい形で積み上げることができます。

-保護者・校内連携