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交流学級とは?特別支援学級との関係・交流の考え方

特別支援学級を初めて担任すると、

「交流学級って何?」
「どの授業に行けばいいの?」
「できるだけ交流した方がいいの?」
「うまくいかなかったらどうすればいい?」

と迷うことがあります。

交流学級で過ごす時間は、特別支援学級の子どもにとって、普段とは違う集団や環境の中で学び、経験を広げる機会になります。

ただし、

交流学級には、できるだけたくさん行けばよい

というものではありません。

大切なのは、その子にとって何を経験する時間なのか、どのような参加の仕方なら学びや成長につながるのかを考えることです。

この記事では、交流学級とは何か、どのような場面で交流するのか、参加の仕方をどう考えればよいのかについて、全体像を整理します。

交流学級とは?

特別支援学級に在籍している子どもが、通常の学級の子どもたちと一緒に授業や活動を行うことがあります。

例えば、特別支援学級に在籍している4年生の子どもが、体育や音楽は4年2組で受ける、といった形です。

このように交流先となる通常の学級を、学校現場では「交流学級」と呼ぶことがあります。

制度上は、こうした取組を**「交流及び共同学習」**と呼びます。

【参考:文部科学省「交流および学習ガイド」】

文部科学省では、交流及び共同学習について、子ども同士が触れ合い、共に活動する「交流」の側面と、教科等のねらいを達成する「共同学習」の側面の両方を持つものとして整理しています。

そのため、交流学級は単に、

「通常学級の子どもたちと一緒に過ごす場所」

というだけではありません。

友達と一緒に活動する。
集団の中で過ごす。
教科の学習に取り組む。
学年の活動に参加する。

そうした学びや経験を積む場でもあります。

なお、この記事では分かりやすさを優先して、交流先となる通常の学級を「交流学級」と表現します。

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交流学級では「経験を積む」と考えると分かりやすい

私は実務上、交流学級を**「経験値を積む場」**と考えることが多くありました。

特別支援学級は少人数で、一人ひとりに合わせて環境や学習を調整しやすい場所です。

一方、交流学級では、

大人数の中で授業を受ける。
同学年の友達と活動する。
普段とは違う先生の話を聞く。
集団の流れに合わせて動く。

など、特別支援学級だけでは得にくい経験があります。

だからといって、最初から大きな成果を求める必要はありません。

まずは、

「最後まで参加できた」
「分からないときに助けを求められた」
「友達と一緒に活動できた」
「楽しかったと思って戻ってこられた」

といった経験を少しずつ積んでいく。

その積み重ねが、次の学びや参加につながります。

ただし、「経験を積む」といっても、ただ我慢してその場に居続けることではありません。

通常の学級の中でも、その子に必要な配慮や支援を考えながら、授業内容が分かる、活動に参加できる、やってみてよかったと思える時間を作ることが大切です。

交流するのは授業だけではない

交流というと、まず教科の授業を思い浮かべるかもしれません。

実際には、交流する場面はいろいろあります。

例えば、

  • 体育・音楽・図工・理科などの授業
  • 学級活動
  • 運動会などの学校行事
  • 校外学習
  • 給食
  • 学年で行う活動

などです。

国立特別支援教育総合研究所の事例でも、体育や給食を交流学級で行う例が紹介されています。

大切なのは、活動名だけを見て参加を決めないことです。

例えば「お楽しみ会」は、学習課題が少なく参加しやすそうに見えます。

しかし実際には、普段より教室が騒がしくなったり、子どもたちのテンションが上がったり、予定が読みにくくなったりすることがあります。

反対に、流れが決まっている授業の方が参加しやすい子どももいます。

「楽しそうな活動=参加しやすい」とは限りません。

その子と、その日の環境の組み合わせを見ることが大切です。

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「ずっと交流に行く/行かない」の二択ではない

交流学級への参加は、0か100かで考える必要はありません。

例えば、

普段は理科を交流学級で受ける。
ただし、難しい単元は特別支援学級で学ぶ。

音楽と体育には交流する。
国語と算数は特別支援学級で学ぶ。

授業への交流は少ない。
ただし、学年行事や校外学習には参加する。

といった組み方もあります。

子どもの実態によっては、当日の状態や活動内容を見ながら参加方法を調整することもあります。

大切なのは、

「交流へ行くと決めたから、何があっても行く」

と固定しすぎないことです。

一方で、その場その場で担任だけが突然参加を決めたり、逆に取りやめたりすると、交流学級側も対応しにくくなります。

交流学級にも授業計画や学級経営があります。

どのようなときに参加するのか。
難しいときはどうするのか。
どこまで支援するのか。

基本的な方針は、事前に交流学級担任などと共有しておくことが大切です。

交流時間についての制度上の目安

ここは一つだけ知っておきたい制度上のポイントがあります。

文部科学省は、特別支援学級に在籍する児童生徒について、原則として週の授業時数の半分以上を目安に、特別支援学級で一人ひとりの状態や特性に応じた授業を行うことを示しています。

一方、次年度に通常の学級への学びの場の変更を検討し、段階的に交流及び共同学習の時間を増やしている場合など、教育上の必要性があるケースについては例外も示されています。

【参考:文部科学省「特別支援教育の充実について」】

私自身も、次年度から通常学級で学ぶことを見通して、3学期から交流学級で過ごす時間を段階的に増やしたケースがありました。

ただし、こうした学びの場の変更を担任一人で決めることはできません。

本人・保護者の意向を大切にしながら、学校や関係者と相談して進めるものです。

子どもの実態に合わせて参加の仕方を考える

では、何を基準に交流への参加を考えればよいのでしょうか。

私は、大きく次のようなことを見ていました。

その時間に、その子なりの学びや経験があるか。

本人にとって負担が大きすぎないか。

必要な支援やフォローを用意できるか。

例えば、学習内容は十分理解できる子どもでも、大人数の音や動きによってかなり疲れることがあります。

逆に、学習には支援が必要でも、友達と活動することが好きで、交流学級へ行くことを楽しみにしている子どももいます。

「勉強ができるから交流へ行く」

「不安定になることがあるから交流へ行かない」

と一つの特徴だけで決めるのではなく、実際の姿を見ながら考えます。

また、本人の気持ちや保護者の願いも重要な情報です。

学校側の見立てだけで決めるのではなく、本人・保護者・関係する職員で情報を共有しながら、参加の形を調整していきます。

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交流がうまくいかないときは、参加方法を見直す

交流を始めてみると、想定していたようにいかないこともあります。

それ自体は珍しいことではありません。

実際に参加してみなければ分からないこともあります。

交流のあとにかなり疲れている。
特定の授業では不安が強い。
友達との関係で負担が生じている。
支援がないと活動に入りにくい。

そうした姿が見えてきたら、

「交流に向いていない」

とすぐに結論を出すのではなく、

参加する頻度を変える。
参加する教科や場面を変える。
事前の見通しや支援を見直す。
交流先での環境や人間関係を確認する。

といったところから考えます。

私自身は、交流が大きく崩れてから対処するよりも、事前に交流学級担任や関係職員と相談し、うまくいかない状況をできるだけ作らないことを重視していました。

それでも難しい場合は、担任一人で抱えず、校内で参加の形そのものを見直していきます。

交流は特別支援学級担任一人では回せない

交流学級での学びは、特別支援学級担任だけでは成立しません。

交流学級担任。
専科の先生。
支援員。
同じ特別支援学級の先生。
保護者。

さまざまな人との連携が必要になります。

特に共有しておきたいのは、

いつ・どこで参加するのか。
どのような配慮が必要なのか。
困ったときにどうするのか。
交流先でどのような姿が見られたのか。

といった情報です。

ただし、これらを毎回大量に書いて渡す必要はありません。

必要な情報を絞り、交流学級担任側にも無理のない形で共有できる仕組みを作ることが大切です。

予定の共有方法、交流先での様子の確認、学期末の所見依頼などについては、別の記事で具体的にまとめています。

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特別支援学級を安心して戻れる場所にする

交流学級でさまざまな経験を積むことは大切です。

一方、そのためにも、普段過ごす特別支援学級が安心できる場所であることは重要だと考えています。

交流へ行ってみる。
少し頑張ってみる。
戻ってくる。
そこで振り返ったり、休んだり、次に向けて整えたりする。

そうしたベースがあるからこそ、新しい環境へ挑戦しやすくなる子どももいます。

もちろん、すべての子どもが同じ感覚を持つわけではありません。

だからこそ、

「交流に何時間行けたか」

だけでなく、

その子にとって交流がどのような経験になっているのか

を見ることが大切です。

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まとめ|交流は「たくさん行くこと」ではなく、意味のある経験を積むこと

交流学級では、特別支援学級だけでは得にくいさまざまな経験を積むことができます。

ただし、

交流へ行く回数が多いほどよい

とは限りません。

教科によって変える。
活動によって変える。
時期によって変える。
本人の姿を見ながら見直す。

そのように柔軟に考えてよいものです。

大切なのは、

その子にとって学びや成長につながる時間になっているか。

そして、それを本人だけに頑張らせるのではなく、交流学級担任や支援員、保護者など、関係する人と一緒に支えていくことです。

交流学級との予定共有や支援の受け渡しを具体的に整理したい方は、以下の記事・教材も参考にしてください。

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