書類・記録・テンプレート

情緒学級担任が4月からやっておきたい年間準備|事務・予定・情報共有で崩れないために

今回は、情緒学級担任が1年間を安定して進めるために、4月から意識しておきたい仕事の流れについてまとめます。

この記事では、子どもへの具体的な対応そのものよりも、その前段階として整えておきたいことを中心に扱います。

具体的には、予定の把握、事務仕事、教室環境、教材・教具の管理、職員間の情報共有、通知表や懇談会に向けた準備などです。

情緒学級の担任をしていると、どうしても目の前の子ども対応に意識が向きます。もちろん、それはとても大切です。

ただ、実際には、子ども対応だけで学級が安定するわけではありません。

予定が整理されていること。
大人同士の対応方針が共有されていること。
教室環境が整っていること。
書類や通知表、懇談会の準備を早めに進めていること。

こうした、担任側でコントロールできる部分を前倒しで整えておくことで、子どもも担任もかなり過ごしやすくなります。

特に情緒学級を初めて担任する場合は、すべてを完璧にやろうとしなくて大丈夫です。

まずは、1学期を安定して過ごすこと。
そして、必要な仕事を締切直前に抱え込まないこと。

ここを目標にするとよいと思います。

4月は、関係づくりと環境づくりを優先する

4月に最優先で取り組みたいのは、関係づくりと環境づくりです。

新年度の始まりは、子どもにとっても担任にとっても変化の大きい時期です。担任が変わる、教室が変わる、交流学級が変わる、時間割が変わるなど、さまざまな変化があります。

そのため、4月からいきなり細かい指導を詰め込むよりも、まずは安心して過ごせる土台を作ることが大切です。

まず、昨年度までの資料に目を通します。

個別の教育支援計画、個別の指導計画、引き継ぎ資料、保護者からの情報、過去の通知表所見などがあれば、ざっと確認しておきます。

この時点で、すべてを完璧に理解する必要はありません。

大切なのは、子どもを見る観点を持つことです。

たとえば、どのような場面で不安定になりやすいのか。
どのような支援があると落ち着きやすいのか。
得意なこと、苦手なこと、好きなことは何か。
保護者が大切にしていることは何か。

こうした情報を知っておくだけでも、実際の子どもの姿を見たときに気づけることが増えます。

無理に知識を増やそうとするよりも、観点を決めて子どもを観察することが大切です。

「今日はこの子がどの場面で安心していたか」
「どの活動では動きにくそうだったか」
「どんな声かけには反応しやすかったか」

このように、客観的な事実をもとに少しずつ見立てを作っていく感覚です。

これは4月だけで完成させるものではありません。1学期、場合によっては1年間をかけて少しずつ精度を高めていけばよいものです。

目安としては、6月ごろに通知表の所見欄を書くことを意識しながら、日々のメモを貯めていくとよいです。

【関連記事1】情緒学級の関係性づくり|できたことを一緒に喜ぶことから始める

【関連記事2】情緒学級の実態把握|子どもの姿を記録して見立てを作る方法

【関連記事3】情緒学級の支援|まず子どもの何を見るのか

教室環境は、シンプルで迷わない形にする

4月は教室環境づくりも重要です。

情緒学級では、教室がごちゃごちゃしていると、それだけで子どもが落ち着きにくくなることがあります。もちろん、すべての子どもに同じ影響が出るわけではありませんが、初めのうちはできるだけシンプルで、子どもが迷わない環境にしておくと安心です。

物の置き場所。
ロッカーの使い方。
提出物の場所。
教材の置き場所。
クールダウンに使える場所。
掃除道具や共有物の位置。

こうしたものを、子どもが分かりやすい形にしておきます。

片付けや整理整頓が苦手な子どももいます。その場合、最初から自分で完璧に管理させようとするよりも、仕組みとして整える方がうまくいきやすいです。

たとえば、毎週金曜日の掃除の時間に、ロッカーと机の中を整える時間を作る。
提出物の場所を一か所に固定する。
使う道具を活動ごとにまとめておく。
視覚的に分かるラベルを貼る。

このように、子どもが迷わず動けるようにしておくと、担任の声かけも減ります。

教室環境づくりについては細かいコツがあるので、別記事で詳しくまとめます。

【関連記事1】情緒学級の教室環境づくり|子どもが迷わず動ける教室を作るポイント

【関連記事2】情緒学級で叱らずに済む関わり方|環境づくりと見通しの持たせ方

【関連記事3】情緒学級で子どもに見通しを持たせる支援|予定・ゴール・困った時の動き方を示す

教材・教具の場所は、早めに確認しておく

4月のうちに、教材・教具の場所も確認しておくとよいです。

少なくとも、1学期に使いそうな教材や教具がどこにあるのかは把握しておきます。

各学級で保管しているものなのか。
特別支援学級のチームで共有しているものなのか。
学年で共有しているものなのか。
使うときに予約や声かけが必要なのか。

このあたりを確認しておくだけで、後から慌てる場面が減ります。

教材や教具は、必要になってから探すと意外と時間を取られます。また、共有物の場合、他の学級や学年と使用が重なることもあります。

地味ですが、これはかなり大事です。

教材・教具の場所や管理方法をチームで共有しておくと、自分も周りも動きやすくなります。

特に初めて情緒学級を担任する場合は、自分で一から教材を作ろうとしすぎなくて大丈夫です。校内にある教材や、すでに同僚が使っている教具を知るだけでも、かなり引き出しが増えます。

クールダウン対応は、職員間で共有しておく

児童の中に、クールダウンなどの対応が必要な子どもがいる場合は、校内で対応方針を共有しておくことが大切です。

ここで大切なのは、担任だけが対応を分かっている状態にしないことです。

たとえば、子どもが教室の外で気持ちを落ち着けているとき、周りの職員がその状況を知らないと、

「どうしたの?」
「早く戻ろう」
「何があったの?」

と声をかけてしまうことがあります。

もちろん、声をかけること自体が常に悪いわけではありません。ただ、子どもの状態によっては、その声かけでさらに不安定になることもあります。

だからこそ、事前の共有が大切です。

どのような状態なら見守るのか。
どのような状態なら声をかけるのか。
誰が近くで確認するのか。
危険がある場合は誰に知らせるのか。
教室に戻ってきたときは、どのように受け入れるのか。

こうした対応方針を、関係する職員で共有しておきます。

大人がその場でそれぞれ判断する状態になると、対応がぶれやすくなります。反対に、関わる大人が同じ方針を理解していれば、子どもも安心しやすくなります。

ただし、クールダウン対応は子どもの実態や校内の方針によって異なります。担任だけで決めるのではなく、学年、特別支援教育コーディネーター、管理職などとも相談しながら確認しておくと安心です。

【関連記事】情緒学級で子どもとの約束を共有するには?担任だけのルールにしないために

予定は、2〜3週間先まで見ておく

情緒学級担任は、自分の学級の予定だけを見ていればよいわけではありません。

在籍している子どもの学年行事、交流学級の予定、学校全体の行事、通級や校外学習、面談、検診など、さまざまな予定が関係してきます。

そのため、基本的には2〜3週間先までの予定を見ておくとよいです。

特に、自分の学級に在籍している子どもの学年行事は早めに確認します。

交流学級の予定を知らないまま過ごしていると、直前になって慌てることがあります。

「明日、交流学級で校外学習がある」
「来週、学年で練習が入っている」
「その時間は交流先で別の活動がある」

こうしたことが後から分かると、子どもにも担任にも負担がかかります。

週案を作成している場合は、先に分かっている予定を入れてしまうと抜け漏れが減ります。

自分の学級の予定を立てる前に、まず動かしにくい外部の予定を確認する。
その上で、自分の学級の活動を組み立てる。

これは、自分の学級を後回しにするという意味ではありません。

ずらせない予定を先に固定することで、残りの時間やリソースを使いやすくするということです。

先に外の予定を把握しておけば、結果的に学級は安定します。子どもにとっても、見通しを持って生活しやすくなります。

【関連記事1】情緒学級担任と交流学級担任の連携|予定・様子・所見をどう共有するか

【関連記事2】情緒学級で支援員の先生と連携するときに担任が意識したいこと

5月は、4月に作った仕組みを見直す

5月は、4月に作った仕組みが実際に機能しているかを確認する時期です。

教室環境は子どもに合っているか。
ロッカーや机の整理は続いているか。
提出物や教材の場所は分かりやすいか。
クールダウン対応は職員間で共有できているか。
交流学級との連携で困っていることはないか。

4月に決めたことが、すべてうまくいくとは限りません。

むしろ、実際に始まってみると、子どもの姿に合わせて調整が必要になることの方が多いです。

5月は、その調整をする時期と考えるとよいです。

また、個別の教育支援計画や個別の指導計画にも早めに触っておきます。

初めて書く場合は、いきなり完成形を目指さなくて大丈夫です。まずは、昨年度の資料を見ながら、自分なりに簡単に書いてみることが大切です。

書いてみることで、今の自分が子どもの姿をどの程度捉えられているのかが分かります。

どの場面で困っているのか。
どのような支援があると動きやすいのか。
どの力を伸ばしたいのか。
そのために、どのような手立てを用意するのか。

こうしたことを考えるきっかけになります。

目標を書くときは、「頑張れるようになる」「良くなる」「落ち着く」だけでは曖昧です。

できるだけ、

「どの場面で」
「どのような支援があれば」
「どのような行動ができるようになるのか」

が分かる形にすると、日々の支援にもつなげやすくなります。

書類関係は、締切直前に初めて触るとかなり苦しくなります。

形式が分からない。
昨年度資料の見方が分からない。
どの程度書けばよいのか分からない。
誰に確認すればよいのか分からない。

こうしたことが、期限直前に一気に出てくるからです。

理想を言えば、締切の2〜4週間前には一度触っておくと安心です。時間に余裕があれば、同僚や特別支援教育コーディネーターにも相談しやすくなります。

【関連記事】個別の教育支援計画・指導計画を読むときのポイント|子どもと保護者理解につなげる

6月は、通知表と懇談会の材料を集める

6月は、通知表所見と保護者懇談会に向けて、少しずつ材料を整理していく時期です。

この時点で、一度過去の通知表所見を読んでみるとよいです。

学校ごとに、所見の書き方や文量、重視する観点には違いがあります。過去の文例を知っておくと、いざ書くときに慌てにくくなります。

また、6月のうちに少しだけ試し書きをしてみるのもおすすめです。

通知表所見では、基本的に、具体的な活動を通してどのような姿が見られたのか、どのような成長があったのかを書きます。

たとえば、

「国語を頑張りました」

だけではなく、

「国語の音読では、教師の範読を聞いたあと、短い文を自分から読もうとする姿が見られました」

のように、具体的な場面と姿があると書きやすくなります。

もちろん、実際の書きぶりは学校の方針に合わせる必要があります。ここでは、あくまで「具体的な姿を集めておくこと」が大切です。

もし6月時点で、所見に書ける具体的な姿があまり思い浮かばない場合は、そこから1ヶ月かけて探せば大丈夫です。

そのためにも、日々のメモが役に立ちます。

また、交流学級での姿も早めに確認しておきます。

情緒学級の担任だけでは、交流先での様子をすべて把握することはできません。交流学級でどのように過ごしているかは、その授業を担当している先生が一番よく見ています。

そのため、交流学級担任に、簡単に様子を教えてもらう機会を作っておくとよいです。

このとき、相手に大きな負担をかけないようにすることも大切です。

たとえば、観点を絞ったメモ欄を用意する。
紙がよいか、データがよいかを確認する。
いつまでに必要かを早めに伝える。
短時間で書ける形式にする。

このようにしておくと、交流学級の先生にもお願いしやすくなります。

6月後半には、全員分の材料がある程度そろい、少なくとも数人分は書き始められる状態にしておくと安心です。

何もないところから、人数分の所見を一気に書くのはかなり大変です。

たとえば6人の学級であれば、1人分ずつ細かく区切って進めるだけでも、かなり負担は減ります。

今日はAさんの国語と算数。
明日はBさんの生活面。
次の日はCさんの交流学級での姿。

このように作業を細かく分けておくと、締切前に追い込まれにくくなります。

通知表所見の書き方や、日々のメモの取り方については、別記事で詳しくまとめます。

【関連記事】情緒学級の実態把握|子どもの姿を記録して見立てを作る方法

通知表の準備は、懇談会準備にもつながる

通知表所見を書くために子どもの具体的な姿を整理しておくと、保護者懇談会の準備にもつながります。

7月に保護者懇談会を行う学校は多いと思います。もちろん、時期や形式は学校によって違いますが、1学期末に保護者と話す機会がある場合は、6月から準備しておくと安心です。

懇談会では、子どもの学校での様子を具体的に伝えることが大切です。

どのような場面で落ち着いて過ごせているのか。
どの活動に意欲的に取り組んでいるのか。
以前と比べて、どのような変化が見られるのか。
どのような支援があると安心して取り組めるのか。
今後、どのような力を伸ばしていきたいのか。

こうしたことを、事実をもとに伝えます。

「落ち着いています」だけで終わらせるよりも、「どの場面で」「どのように」落ち着いているのかを伝える方が、保護者にも学校での姿が伝わりやすくなります。

反対に、クールダウンなどの対応が必要な場合も、事実を中心に伝えることが大切です。

その際は、困っていることだけを伝えるのではなく、

「どのような場面で不安定になりやすいのか」
「どのような支援をすると落ち着きやすいのか」
「今後、どのように支援していくのか」

という見通しも合わせて共有します。

保護者に伝える内容は、担任一人だけで抱え込まず、必要に応じて同僚や特別支援教育コーディネーターにも相談しておくと安心です。

また、保護者への感謝も忘れずに伝えます。

家庭で協力してもらっていること。
持ち物や連絡への対応。
子どもの様子を共有してもらっていること。

そうしたことに対して、きちんと感謝を伝えることは、保護者との関係づくりにもつながります。

保護者との関係づくりについては、別記事で詳しくまとめます。

【関連記事】情緒学級の保護者対応で大切なこと|子どもの頑張りを共有する関係づくり

7月は、懇談会を一つの節目にする

7月は、懇談会が一つの節目になります。

懇談会で何を伝えるのか、どのように伝えるのかは、事前に整理しておくと安心です。

特に初心者のうちは、自分一人で判断しすぎない方がよいです。

子どもの頑張り。
成長したところ。
今後伸ばしたいところ。
家庭と共有しておきたいこと。
学校として確認しておきたいこと。

こうした内容を、必要に応じて同僚や特別支援教育コーディネーターに相談しておきます。

また、在籍や来年度の学びの場について相談が出る場合もあります。

このような内容は、担任だけで判断するものではありません。保護者の意向、子どもの実態、校内の支援体制、自治体の手続きなどが関係します。

そのため、相談が出た場合は、特別支援教育コーディネーターや管理職につないで対応することが大切です。

もし事前に保護者からそのような相談があると分かっている場合は、懇談会の日程に合わせて、特別支援教育コーディネーターと相談できる時間を調整しておくことも考えられます。

学校によって対応の流れは違うので、自分の学校ではどのように進めるのかを確認しておくとよいです。

夏休みは、1学期の整理と2学期以降の見通し作りに使う

夏休みは、新しいことを大量に始めるというより、1学期の整理と2学期以降の見通し作りに時間を使うとよいです。

まず、2学期から3学期までの予定のうち、分かっているものを整理します。

学校行事。
学年行事。
交流学級の予定。
校外学習。
運動会や発表会。
個別の指導計画の見直し時期。
通知表や懇談会の時期。

こうした予定を、自分の計画表や週予定に入れておきます。

1学期のうちに年間予定をすべて把握するのは難しいです。しかし、夏休みには少し余裕があるはずなので、半日ほどかけて大きな予定を整理しておくだけでも、2学期の動きやすさが変わります。

合同で行っている授業があり、自分が担当している場合は、授業の雛形を作っておくのもよいです。

どの曜日に行うのか。
誰が担当するのか。
どの教材を使うのか。
どのような流れで進めるのか。
準備物は何か。

こうしたことを簡単にまとめておくと、チーム内で共有しやすくなります。来年度以降も使える資料になることもあります。

また、1学期の子どもの成長や実態を踏まえて、2学期に伸ばしたい力を考えておくのもよいです。

生活面で一つ。
学習面で一つ。

このくらいに絞っておくと、日々の支援にもつなげやすくなります。

参考になるのは、懇談会で話した内容や、個別の教育支援計画・個別の指導計画の記述です。

保護者の願い。
子どもの実態。
1学期に成長したところ。
今後伸ばしたいところ。

こうした内容に立ち返りながら、2学期の支援を考えます。

教材や教具についても、夏休みに確認しておくとよいです。

1学期に同僚が使っていた教材。
校内に保管されている教具。
自分の学級で使えそうな教材。
子どもの実態に合いそうな活動。

日々の忙しさの中では、こうした情報は意外と共有されません。時間に少し余裕があるときに、「これは何に使う教材ですか」「この子にはどんな教材が合いそうですか」と同僚に聞いておくと、2学期以降の引き出しが増えます。

2学期は、行事と見通しにより敏感になる

2学期は、1学期以上に予定や見通しが大切になります。

学校にもよりますが、2学期は行事が多くなりやすいです。運動会、発表会、校外学習、作品展、学年行事など、子どもにとって負荷の大きい活動が続くこともあります。

また、2学期は期間も長いです。

そのため、予定を早めに把握し、子どもに見通しを持たせることが大切です。

いつ、どこで、何をするのか。
普段と違う動きはあるのか。
交流学級での活動はどうなるのか。
事前に練習や確認が必要か。
不安定になりやすい場面はどこか。

こうしたことを早めに確認しておくと、子どもも担任も準備しやすくなります。

2学期も、基本的な流れは1学期と同じです。

日々のメモを取り、具体的な姿を集める。
交流学級での様子を確認する。
必要な支援をチームで共有する。
通知表や懇談会に向けて、早めに材料を整理する。

ただ、2学期は1学期と比べて、「成長の変化」を伝えやすい時期でもあります。

1学期と比べて何ができるようになったのか。
どのような場面で自信が見られるようになったのか。
どの支援があると、自分で動けるようになってきたのか。
どの部分は、引き続き支援が必要なのか。

こうしたことを意識しておくと、2学期末の通知表や懇談会で伝える内容も整理しやすくなります。

学校によっては、3学期に懇談会を行わないところもあります。その場合、2学期末の懇談会が、保護者と面と向かってしっかり話す大きな機会になることもあります。

進級や来年度の学びの場について相談が必要な場合も、2学期のうちから少しずつ関係者と共有しておくとよいです。

この場合も、担任だけで判断せず、特別支援教育コーディネーター、管理職、交流学級担任、保護者などと連携しながら進めます。

3学期に突然決めるのではなく、2学期のうちから見通しを持っておくことが大切です。

3学期は、来年度への引き継ぎを意識する

3学期は、来年度への引き継ぎを整えていく時期です。

来年度も情緒学級に在籍する場合も、通常の学級で学ぶ時間が増える場合も、基本的な考え方は同じです。

大切なのは、次に関わる先生が、子どもの姿を具体的にイメージできることです。

引き継ぎでは、次のような観点で整理するとよいです。

どのような場面で力を発揮しやすいか。
どのような場面で不安定になりやすいか。
どのような支援が効果的だったか。
避けた方がよい対応は何か。
保護者と共有していることは何か。
交流学級でうまくいっていた関わりは何か。

特に、

「これをすると、うまくいきやすい」
「こういう場面では、不安定になりやすい」

この2つの観点で整理しておくだけでも、引き継ぎ資料としてかなり使いやすくなります。

日頃からメモを取っていれば、3学期に一気に思い出そうとしなくて済みます。

また、合同で行っている授業や、学級で使っていた教材があれば、来年度の担任が使いやすいように簡単に整理しておくとよいです。

授業の流れ。
使った教材。
子どもの反応。
うまくいった工夫。
難しかった点。

このあたりを残しておくと、自分が続投する場合にも役立ちますし、担任が変わる場合にも引き継ぎやすくなります。

教室環境も、3学期のうちに少しずつ整理していきます。

不要なものは処分する。
教材や教具を元の場所に戻す。
子どもの持ち物を計画的に持ち帰らせる。
来年度も使うものと、今年度で整理するものを分ける。

3月は思っている以上に慌ただしくなります。卒業、修了、引き継ぎ、書類整理、教室移動などが重なるからです。

だからこそ、3学期の早い段階から少しずつ整理しておくと、最後に余裕が生まれます。

情緒学級担任は、前倒しでかなり楽になる

情緒学級担任の仕事は、その場の対応力だけで回すものではありません。

もちろん、子どもへの直接的な関わりは大切です。けれども、それと同じくらい、事前の準備や情報共有も重要です。

予定を早めに把握する。
書類には締切より前に触っておく。
通知表や懇談会の材料を日々のメモで集める。
教材・教具の場所を確認しておく。
教室環境をシンプルに整える。
クールダウン対応などを職員間で共有する。
来年度に向けた引き継ぎを少しずつ作る。

こうした仕事は、どれも地味です。

しかし、ここが整っていると、学級はかなり安定しやすくなります。

反対に、予定や書類、情報共有が後手に回ると、目の前の子ども対応にも余裕がなくなります。

だからこそ、情緒学級担任は、コントロールできる部分を早めに整えておくことが大切です。

特に意識したいのは、次の2つです。

1つ目は、事務仕事と予定把握をかなり早めに進めること。
2つ目は、大人同士の情報共有を先に整えること。

この2つができるだけでも、担任の負担はかなり変わります。

初めて情緒学級を担任する場合、最初から完璧を目指す必要はありません。

まずは、1学期を安定して過ごすこと。
次に、通知表や懇談会を締切直前に抱え込まないこと。
そして、2学期以降の見通しを少しずつ作っていくこと。

その積み重ねで、1年間の仕事はかなり進めやすくなります。

細かい実務については、今後の記事でさらに具体的にまとめていきます。

教室環境づくり。
通知表所見のメモの取り方。
保護者懇談会の準備。
個別の教育支援計画・個別の指導計画の書き方。
交流学級との連携。
クールダウン対応の共有。
引き継ぎ資料の作り方。

こうしたテーマについても、実際に使える形で整理していきます。

情緒学級担任が前倒しで確認しておきたいチェックリスト

最後に、この記事で紹介した内容をチェックリストとして整理します。

すべてを完璧にこなす必要はありません。
まずは、自分の学校や学級の状況に合わせて、できるところから確認してみてください。

4月に確認したいこと

  • 昨年度の引き継ぎ資料に目を通した
  • 個別の教育支援計画・個別の指導計画を確認した
  • 子どもの得意なこと・苦手なこと・不安定になりやすい場面を把握し始めた
  • 教室内の物の置き場所を決めた
  • 提出物や教材の置き場所を分かりやすくした
  • ロッカーや机の使い方を確認した
  • 1学期に使いそうな教材・教具の場所を確認した
  • クールダウン対応が必要な児童について、校内で対応方針を共有した
  • 2〜3週間先の学校行事・学年行事・交流学級の予定を確認した

5月に確認したいこと

  • 4月に作った教室環境やルールが機能しているか見直した
  • 片付けや提出物の仕組みを必要に応じて修正した
  • 交流学級との連携で困っていることがないか確認した
  • 個別の教育支援計画・個別の指導計画に一度触った
  • 昨年度の目標や手立てを確認した
  • 今年度の子どもの姿をもとに、目標や支援を考え始めた
  • 書類の締切を確認し、余裕を持って進められるようにした

6月に確認したいこと

  • 過去の通知表所見を読んだ
  • 所見に使えそうな子どもの具体的な姿をメモしている
  • 交流学級での様子を交流学級担任に確認した
  • 必要に応じて、交流学級担任に所見用のメモを依頼した
  • 通知表所見を少しずつ書き始めた
  • 懇談会で伝えたい内容を整理し始めた
  • 子どもの頑張り、成長、今後の見通しを具体的に説明できるようにした

7月・夏休みに確認したいこと

  • 懇談会で伝える内容を同僚やコーディネーターに相談した
  • 保護者からの相談内容を必要に応じて校内で共有した
  • 1学期の子どもの成長や課題を整理した
  • 2学期から3学期までの大きな予定を確認した
  • 分かっている行事や締切を計画表に入れた
  • 2学期に伸ばしたい力を生活面・学習面で考えた
  • 校内にある教材・教具を確認した
  • 合同授業や共有授業の雛形を必要に応じて作成した

2学期に確認したいこと

  • 行事予定を早めに確認している
  • 交流学級での活動予定を把握している
  • 子どもに見通しを持たせる準備をしている
  • 行事前後に不安定になりやすい場面を予測している
  • 1学期と比べた子どもの成長をメモしている
  • 2学期末の通知表や懇談会に向けて材料を集めている
  • 来年度の学びの場について相談が必要な場合、校内で共有している

3学期に確認したいこと

  • 来年度に向けた引き継ぎ内容を整理し始めた
  • うまくいきやすい支援を記録した
  • 不安定になりやすい場面を記録した
  • 避けた方がよい対応を整理した
  • 保護者と共有している内容を確認した
  • 交流学級での様子を整理した
  • 教材・教具や合同授業の資料を整理した
  • 教室内の不要なものを少しずつ片付けた
  • 子どもの持ち物を計画的に持ち帰らせた

年間を通して意識したいこと

  • 予定は早めに確認する
  • 書類は締切直前に初めて触らない
  • 子どもの姿は、具体的な事実でメモする
  • 担任一人で判断せず、必要に応じて同僚に相談する
  • 交流学級での姿も確認する
  • 保護者には、頑張りと今後の見通しを具体的に伝える
  • 校内で対応方針を共有する
  • 来年度の担任が困らないように、少しずつ引き継ぎを整える

このチェックリストは、学校や学級の状況によって調整して使ってください。
大切なのは、すべてを完璧にこなすことではなく、締切前や行事前に慌てないように、早めに確認する習慣を作ることです。

-書類・記録・テンプレート