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情緒学級担任の役割とは?|子ども・保護者・学校をつなぐ仕事

今回は、情緒学級担任の役割についてまとめます。

情緒学級の担任には、授業をすること、子どもと関係を作ること、教室環境を整えること、保護者と連携することなど、さまざまな仕事があります。

その中でも、特に大切な役割の一つが「つなぐこと」だと思っています。

子どもを、安心できる人や場所につなぐ。
保護者を、学校の情報や相談先につなぐ。
学校職員を、子どもの実態や支援方針でつなぐ。

情緒学級担任は、子どもを一人で抱え込む仕事ではありません。

子どもを中心にして、保護者、交流学級担任、支援員、特別支援教育コーディネーター、学年主任、管理職など、さまざまな人と関わりながら支援を組み立てていく仕事です。

だからこそ、情緒学級担任には「必要なところにつなぐ力」が求められます。

情緒学級担任は、子どもを一人で支える仕事ではない

情緒学級に在籍する子どもは、学校生活の中で困り感が出やすかったり、集団での活動に支援が必要だったりすることがあります。

授業中に気持ちが崩れる。
友達との関わりでトラブルになる。
急な予定変更が苦手。
勝ち負けや失敗を受け止めにくい。
交流学級で不安が強くなる。
困っていても、自分から助けを求められない。

こうした姿が見られることがあります。

もちろん、これは子どもが悪いという話ではありません。
その子に合った環境や関わり方が必要だということです。

だからこそ、情緒学級担任は、子どもを自分一人で支えようとするのではなく、必要な大人や場面につなげていく必要があります。

担任が直接関わる場面もあります。
一方で、交流学級で過ごす時間もあります。
支援員の先生がそばにつくこともあります。
保護者と情報共有することで、家庭でも子どもの頑張りを支えてもらうこともあります。

子どもに関わる大人が、それぞれ別々の方向を向いていると、子どもは混乱しやすくなります。

逆に、関わる大人が同じ方向を向いていると、子どもは安心しやすくなります。

そのために、担任が情報をつなぐ。
支援の方針をつなぐ。
子どもの頑張りをつなぐ。

これが情緒学級担任の大切な役割です。

【関連記事】情緒学級とは何か?

子どもを、安心できる人や場所につなぐ

まず大切なのは、子どもを安心できる人や場所につなぐことです。

情緒学級では、子どもが安心して過ごせる土台づくりが欠かせません。

「この教室なら落ち着いて過ごせる」
「この先生は困ったときに助けてくれる」
「分からないときに聞いてもいい」
「失敗しても、次にどうすればよいか一緒に考えてもらえる」

子どもがこのように感じられるようになると、学習や友達との関わりにも向かいやすくなります。

そのためには、普段からの関係づくりが大切です。

子どもが困っている場面を見つける。
困っていることを言葉にする手伝いをする。
できたことや頑張ったことを返す。
気持ちが崩れたときに、戻れる方法を一緒に考える。

こうした積み重ねによって、子どもは少しずつ「困ったときに助けを求めてもよい」と感じられるようになります。

最初のうちは、大人が子どもの困り感に気づいて助けることが多いかもしれません。

ただ、いつまでも大人が先回りし続けることが目的ではありません。

少しずつ、

「手伝ってください」
「分かりません」
「少し休みたいです」
「もう一度説明してください」

と、子ども自身が助けを求められるようにしていくことも大切です。

担任が子どもを支える。
支えながら、少しずつ自分で助けを求められるようにする。

この流れを作ることも、情緒学級担任の役割の一つです。

【関連記事】情緒学級の関係性づくり|できたことを一緒に喜ぶことから始める

交流学級や友達とのつながりを支える

情緒学級の子どもは、交流学級で授業を受けたり、学年の行事に参加したりすることがあります。

交流学級は、子どもにとって大切な経験の場です。

同学年の友達と関わる。
集団の中で活動する。
通常学級の授業に参加する。
行事の中で役割を持つ。
成功体験を積む。

こうした経験は、子どもの成長につながります。

ただし、交流学級に参加すれば、それだけでうまくいくわけではありません。

子どもの実態によっては、事前の見通しが必要なこともあります。
支援員の先生に見てもらう必要があることもあります。
交流学級担任と、気をつけるポイントを共有しておいた方がよいこともあります。
参加後に、本人と振り返りをした方がよいこともあります。

情緒学級担任は、子どもを交流学級に送り出すだけではなく、そこでの経験が子どもにとって意味のあるものになるように支える必要があります。

たとえば、

「今日の体育は勝ち負けがある活動なので、負けたときに気持ちが崩れやすいかもしれません」
「最初に活動の流れを確認すると安心して参加しやすいです」
「困ったときは支援員の先生に伝える約束にしています」

このように、交流学級担任や支援員の先生と共有しておくことで、子どもは安心して参加しやすくなります。

子どもと交流学級をつなぐ。
子どもと友達との関わりを支える。
子どもが集団の中で成功体験を積めるように調整する。

これも、情緒学級担任の大切な仕事です。

【関連記事1】情緒学級担任と交流学級担任の連携|予定・様子・所見をどう共有するか

【関連記事2】情緒学級で支援員の先生と連携するときに担任が意識したいこと

保護者を、学校や相談先につなぐ

情緒学級担任は、保護者との関係づくりも大切にする必要があります。

保護者は、子どものことを長く見てきた存在です。

家庭での過ごし方。
これまでの困り感。
得意なこと。
苦手なこと。
うまくいった関わり方。
将来への不安や願い。

こうしたことを、保護者は実感を伴って知っています。

一方で、教師は学校での姿を見ています。

授業中の様子。
友達との関わり。
交流学級での姿。
行事への参加。
気持ちの切り替え。
支援があったときの変化。

家庭と学校では、見えている姿が違います。

だからこそ、担任は保護者と情報を共有しながら、子どもの成長を一緒に考えていく必要があります。

ここで大切なのは、担任がすべてを解決しようとしすぎないことです。

保護者の話を聞くだけで、少し気持ちが落ち着くこともあります。
学校での様子を伝えることで、安心につながることもあります。
必要に応じて、特別支援教育コーディネーターや管理職、外部の相談機関などにつなぐことが必要な場合もあります。

ただし、保護者をむやみにたらい回しにしてはいけません。

「それは別の人に聞いてください」と投げるのではなく、

「この内容であれば、校内では特別支援教育コーディネーターの先生が詳しいので、一緒に相談してみましょうか」

のように、選択肢として伝えることが大切です。

まずは担任が話を聴く。
必要な情報を整理する。
必要に応じて、詳しい人や相談先につなぐ。

この流れを作ることで、保護者は学校を頼りやすくなります。

保護者が担任や学校を信頼できるようになると、その年だけでなく、次の担任やその後の学校生活にも良い影響が出やすくなります。

保護者を学校につなぐこと。
学校での子どもの姿を家庭につなぐこと。
必要な相談先につなぐこと。

これも情緒学級担任の重要な役割です。

【関連記事1】情緒学級の保護者対応で大切なこと|子どもの頑張りを共有する関係づくり

【関連記事2】保護者に気になる姿を伝える言い方|責めずに相談する考え方と文例

学校職員を、子どもの実態や支援方針でつなぐ

情緒学級担任は、学校職員同士をつなぐ役割もあります。

子どもに関わる大人は、担任だけではありません。

交流学級担任。
支援員の先生。
特別支援教育コーディネーター。
学年主任。
養護教諭。
管理職。
教科や行事で関わる先生。

さまざまな大人が、子どもに関わります。

そのときに大切なのは、子どもの実態や支援方針を共有しておくことです。

たとえば、

どのような場面で不安定になりやすいのか。
どのような声かけが入りやすいのか。
困ったときは誰に伝える約束になっているのか。
交流学級では、どのような支援が必要なのか。
クールダウンするときは、どこで、誰が見守るのか。
保護者とは、どのような方針で共有しているのか。

こうした情報が担任の頭の中だけにあると、他の大人が対応するときに困ってしまいます。

もちろん、すべてを細かく共有しすぎる必要はありません。
個人情報やデリケートな内容の扱いにも注意が必要です。

それでも、子どもに関わる大人が同じ方向で支援できるように、必要な情報は共有しておくことが大切です。

そのためには、簡単な記録も役に立ちます。

たとえば、

「国語のプリントに10分間集中して取り組めた」
「体育の勝ち負けで気持ちが崩れたが、支援員の先生と一度離れて落ち着けた」
「交流学級では、最初に流れを確認すると参加しやすかった」
「休み時間の友達との関わりで、距離が近くなりすぎる場面があった」

このような簡単なメモでも、見立てや共有の材料になります。

担任の感覚だけでなく、具体的な姿をもとに共有する。
自分の見立てを絶対視せず、他の大人の見え方も聞く。
必要な支援を、必要な人に伝える。

これが、学校職員をつなぐということです。

【関連記事】情緒学級担任が同僚と関係を作るには?相談しやすいチームを作る考え方

「つなぐ」ためには、日頃の関係づくりが必要

必要なときに人をつなぐためには、日頃からの関係づくりが大切です。

困ったときだけ急に相談するよりも、普段から少しずつ話しておく方が相談しやすくなります。

交流学級担任に、子どもの様子を聞く。
支援員の先生に、支援してもらった場面のお礼を伝える。
特別支援教育コーディネーターに、気になることを早めに相談する。
学年主任や管理職に、保護者対応やトラブルの経緯を共有する。
同じ特別支援学級の担任と、子どもの見立てを話し合う。

こうした日頃の積み重ねが、いざというときの連携につながります。

また、同僚との関係性は、子どもにも伝わります。

大人同士が穏やかに挨拶をしている。
必要なことを自然に頼み合っている。
子どもの頑張りを一緒に喜んでいる。
授業や行事で協力している。
支援の方針を共有しながら動いている。

こうした姿は、子どもにとっても安心感につながります。

子どもは、大人同士の関係性をよく見ています。

大人がギスギスしている環境よりも、大人同士が落ち着いて連携している環境の方が、子どもも安心して過ごしやすくなります。

もちろん、わざとらしく仲の良さを見せる必要はありません。

ただ、学校の中で大人同士が協力している姿、挨拶を交わしている姿、子どものために連携している姿は、それ自体が安心できる環境の一部になります。

【関連記事】情緒学級の環境づくり|安心感のある雰囲気を作るために意識したい3つのこと

最終的には、助けを求められる力につなげていく

情緒学級担任が子ども・保護者・学校をつなぐのは、担任がすべてを背負うためではありません。

最終的には、子どもが自分の困り感に気づき、必要なときに助けを求められるようにしていくためです。

困ったときに黙って固まるのではなく、
「分かりません」と言える。

気持ちが崩れそうなときに、
「少し休みたいです」と伝えられる。

友達との関わりで困ったときに、
「先生に相談したいです」と言える。

失敗したときに、
「次はどうすればいいですか」と聞ける。

こうした力は、学校生活だけでなく、将来にもつながります。

もちろん、すぐにできるようになるわけではありません。
子どもの実態によっても、目指す姿は違います。

それでも、子どもが少しずつ自分の困り感を伝えられるようにすることは、情緒学級で大切にしたい支援の一つです。

そのために、担任がまず安心できる関係を作る。
保護者と子どもの姿を共有する。
学校職員と支援方針をそろえる。
交流学級や支援員と連携する。
必要なときに、必要な人につなぐ。

この積み重ねが、子どもの「助けを求める力」につながっていきます。

【関連記事】スモールステップとは何か|できないことを少しずつできる形にする

まとめ

情緒学級担任の役割は、子どもに直接関わることだけではありません。

もちろん、授業をすることも大切です。
子どもと関係を作ることも大切です。
教室環境を整えることも大切です。

ただ、それと同じくらい、子どもを取り巻く人や情報をつなぐことも大切です。

子どもを、安心できる人や場所につなぐ。
保護者を、学校の情報や相談先につなぐ。
学校職員を、子どもの実態や支援方針でつなぐ。

情緒学級担任は、一人で子どもを抱え込む仕事ではありません。

子どもを中心にして、保護者、交流学級担任、支援員、特別支援教育コーディネーター、学年主任、管理職などと連携しながら、子どもが安心して成長できる環境を作っていく仕事です。

その意味で、情緒学級担任は「つなぐ仕事」だと言えます。

そして、そのつながりを作ることは、最終的には子ども自身が困ったときに助けを求められる力にもつながっていきます。

担任一人で完璧に支えようとしなくてよいです。
必要な人に相談し、必要な情報を共有し、子どもの周りに安心できるつながりを作っていく。

それが、情緒学級担任の大切な役割の一つだと思います。

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