今回は、情緒学級の担任が同僚と関係性を作るうえで大切にしたいことをまとめます。
情緒学級の担任をしていると、子どもとの関係づくり、保護者対応、交流学級との連携、支援員の先生への依頼、行事への参加方法、個別の約束の共有など、考えることがたくさんあります。
もちろん、担任として自分で考えることは大切です。
ただ、情緒学級の担任は、一人で全部を抱え込む仕事ではありません。
子どもを支えるためには、同じ特別支援学級の担任、交流学級の担任、特別支援教育コーディネーター、学年主任、管理職、養護教諭、支援員の先生など、さまざまな人と連携する必要があります。
そのために大切なのが、日頃から相談しやすい関係を作っておくことです。
困ったときだけ急に相談するのではなく、普段から情報を共有する。
感謝を伝える。
自分もできる仕事を引き受ける。
相手の仕事や考え方を知ろうとする。
こうした積み重ねが、子どもをチームで支える土台になります。
情緒学級担任は、一人で抱え込まない方がいい
まず大前提として、情緒学級担任は一人で抱え込まない方がいいです。
これは、担任としての責任を放棄するという意味ではありません。
むしろ逆です。
子どもを安定して支えるために、必要な情報を共有し、必要な人に相談するということです。
情緒学級では、子どもの状態や特性に応じて、個別の対応が必要になることがあります。
気持ちが崩れたときの対応。
交流学級に参加するときの支援。
友達とのトラブルがあったときの事後指導。
保護者への連絡。
行事に参加するときの見通しの持たせ方。
子どもと取り決めている約束。
これらを担任だけが知っている状態だと、対応が不安定になりやすいです。
担任が不在のとき。
支援員の先生が付き添うとき。
交流学級で過ごしているとき。
管理職や学年主任に相談が必要になったとき。
そのたびに情報が共有されていないと、子どもも周囲の大人も困ってしまいます。
だからこそ、日頃から同僚と情報を共有し、相談しやすい関係を作っておくことが大切です。
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まずは、校内の誰に相談できるかを知っておく
少経験のうちは、すべてを自分で判断しようとしなくてよいです。
もちろん、自分で調べることや考えることは必要です。
ただし、下手に中途半端な知識で判断するよりも、詳しい人につなぐ方がよい場合もあります。
大切なのは、
「この相談なら、校内の誰に聞けばよいか」
「このケースなら、誰に共有しておくべきか」
「この内容は、自分だけで判断しない方がよい」
という動線を持っておくことです。
情緒学級担任が関わる相手としては、たとえば次のような人がいます。
特別支援学級の担任。
特別支援教育コーディネーター。
学年主任。
教務主任。
養護教諭。
管理職。
支援員の先生。
過去に特別支援教育を経験した先生。
特に、特別支援教育コーディネーターは、校内での支援体制や関係機関との連携、進級時の在籍や支援の相談などで頼りになる存在です。
また、養護教諭は子どもの健康面や情緒面について、日頃から大切な情報を持っていることがあります。
学年主任や管理職は、保護者対応やトラブル対応を学校全体で進めるときに欠かせません。
自分がすべてに詳しくなる必要はありません。
ただ、誰に相談すればよいかを知っておくこと。
必要なときに、適切な人につなげられること。
これは、情緒学級担任にとって大切な力だと思います。
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特別支援学級の担任同士で、こまめに情報交換する
特別支援学級の担任同士の情報交換も大切です。
同じ特別支援学級の担任であっても、見ている子どもは違います。
担当している学年も違います。
得意な支援の形も違います。
だからこそ、普段から少しずつ話しておくと、自分の見方が広がります。
特に少経験のうちは、経験のある先生の動きをよく見ることをおすすめします。
落ち着いている学級を見ると、つい「子どもたちが落ち着いているからうまくいっている」と思ってしまうかもしれません。
しかし、実際には、担任が事前に荒れにくい環境を作っていたり、子どもの小さな変化に早く気づいていたりすることが多いです。
子どもが荒れてから対応するのではなく、荒れが大きくなる前に声をかける。
不安定になりそうな場面で、先に見通しを示す。
刺激が強くなりそうな活動では、席や役割を調整しておく。
気持ちが崩れかけた段階で、休憩や選択肢を出す。
こうした予防や早期対応が、自然に行われていることがあります。
ベテランの先生がすごいのは、トラブルが起きた後の対応だけではありません。
むしろ、トラブルが起きにくいように環境を整えたり、起きても小さいうちに対応したりするところに技術があります。
その視点を学ぶためにも、特別支援学級の担任同士で普段から情報交換をしておくとよいです。
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支援員の先生には、依頼を具体的に伝える
支援員の先生との関係づくりも重要です。
支援員の先生は、担任が直接見られない場面で子どもについてくださることがあります。
交流学級での授業。
家庭科の調理実習。
体育。
校外学習。
学校行事。
休み時間や給食の場面。
こうした場面で、担任ではなく支援員の先生が付き添うこともあります。
そのときに大切なのは、依頼を具体的にしておくことです。
「見ておいてください」だけでは、何をどこまで支援すればよいのか分かりにくいです。
たとえば、
「今日の家庭科では、包丁を使う場面があるので、作業の直前に手順を一緒に確認してください。」
「体育では勝ち負けがあると気持ちが崩れやすいので、負けた後の様子を少し見ていただけると助かります。」
「交流学級では、最初の説明を聞き逃すと不安定になりやすいので、活動の始めに本人が見通しを持てているか確認してください。」
このように、支援してほしい場面や見てほしいポイントを具体的に伝えると、支援員の先生も動きやすくなります。
また、子どもと取り決めている約束がある場合は、支援員の先生にも共有しておくことが大切です。
どの場面で休憩してよいのか。
困ったときに誰に伝えるのか。
友達との距離感で気をつけていることは何か。
気持ちが崩れたときに、どのような声かけが有効なのか。
こうした情報が共有されていると、担任以外の大人も同じ方向で支援しやすくなります。
支援員の先生に任せきりにするのではなく、担任が支援の方針を共有し、必要な依頼を具体的にする。
これが大切です。
【関連記事】情緒学級で支援員の先生と連携するときに担任が意識したいこと
交流学級担任とは、定期的に様子を確認する
情緒学級では、交流学級との連携も欠かせません。
交流学級とは、特別支援学級に在籍している子どもが、授業や行事などで参加する通常学級のことです。
国語や算数に参加する子もいれば、理科、社会、音楽、体育、図工、学級活動などに参加する子もいます。
どの授業に参加するかは、子どもの実態や本人・保護者の願い、学校での支援体制などを踏まえて考えていきます。
情緒学級の子どもの中には、学習面だけを見れば通常学級の授業に十分参加できる子もいます。
一方で、集団の刺激や友達との関わり、見通しの持ちにくさなどで支援が必要になる子もいます。
だからこそ、交流学級での様子を把握しておくことが大切です。
交流学級の担任の先生が、毎回細かく様子を伝えてくれるとは限りません。
向こうにも、通常学級の担任としての日々の仕事があります。
だから、こちらから定期的に聞きに行くことが必要です。
「今週の交流での様子はどうでしたか?」
「体育では、友達との関わりはどうでしたか?」
「授業中に困っていそうな場面はありましたか?」
「こちらで事前に支援しておいた方がよさそうなことはありますか?」
このように、短くてもよいので様子を確認しておくと、子どもの実態が見えやすくなります。
また、交流学級の担任には、日頃から感謝を伝えることも大切です。
「いつも交流で見ていただいてありがとうございます。」
「先日の体育で声をかけていただいたおかげで、本人も最後まで参加できたようです。」
こうした一言があるだけでも、関係性は作りやすくなります。
交流学級への参加は、子どもにとって成功体験を積む大事な機会です。
その機会を安定して作るためにも、交流学級担任との連携は丁寧にしておきたいところです。
【関連記事】情緒学級担任と交流学級担任の連携|予定・様子・所見をどう共有するか
相談するときは、困っていることを整理してから持っていく
相談しやすい関係を作るうえで、相談の仕方も大切です。
もちろん、本当に困っているときは早めに相談した方がよいです。
一人で抱えて、対応が遅れる方がよくありません。
ただし、何でもかんでも丸投げするような相談の仕方は避けたいところです。
相談するときは、少なくとも次のようなことを整理しておくとよいです。
何に困っているのか。
どこまで自分で考えたのか。
何を試したのか。
どこで迷っているのか。
いつまでに決める必要があるのか。
たとえば、
「交流学級の体育に参加させたいのですが、勝ち負けがある活動で崩れやすいです。事前に見通しを伝えることと、途中で休憩できる場所を決めることまでは考えました。ただ、実際にどこまで参加させるかで迷っています。」
このように相談できると、相手も答えやすくなります。
「何も分からないので全部教えてください」ではなく、
「ここまで考えましたが、この部分で迷っています」と伝える。
これだけで、相談の質はかなり変わります。
相談は、相手の時間をもらうことでもあります。
だからこそ、自分で考えたところまでは持っていく。
そのうえで、答えが出ないことは早めに相談する。
このバランスが大切です。
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締切のあることは、早めに相談する
相談のタイミングも大切です。
特に、行事、資料作成、保護者対応、交流学級との調整、支援員への依頼など、他の人にも関わる仕事は早めに相談した方がよいです。
チームのメンバーが困るのは、締切直前になって相談されることです。
直前になってから、
「やっぱりこれが必要でした」
「この対応もお願いします」
「明日までに確認してください」
となると、周囲の人の仕事も一気に増えてしまいます。
少経験のうちは、仕事にどれくらい時間がかかるかを見積もるのが難しいことがあります。
だからこそ、未経験の仕事ほど早めに少し触ってみる。
分からないところを早めに見つける。
自分だけでは判断できないと思ったら、早めに相談する。
この意識が大切です。
目安として、締切のある仕事で自分だけでは判断しにくいものは、少なくとも数日前、できれば一週間前には相談しておくと安心です。
早めの相談は、自分を守るためでもあります。
そして、チームを守るためでもあります。
【関連記事】情緒学級担任が4月からやっておきたい年間準備|事務・予定・情報共有で崩れないために
管理職や学年主任には、必要なことを早めに共有する
保護者対応や子どものトラブルに関わることは、特に早めの共有が必要です。
怪我。
友達との大きなトラブル。
保護者からの相談。
子どもの状態が大きく崩れている場合。
学校として判断が必要な支援。
こうしたことは、担任一人で抱え込まない方がよいです。
学年主任や管理職に早めに共有しておくことで、対応の方向性を相談できます。
保護者に伝える内容も整理しやすくなります。
後から大きな問題になったときにも、学校として経緯を把握しておくことができます。
また、子どもと個別に取り決めている約束についても、必要な範囲で共有しておくことが大切です。
たとえば、
気持ちが崩れたときは、どこで休憩するのか。
交流学級で困ったときは、誰に伝えるのか。
授業に参加する時間をどのように調整しているのか。
友達との関わりで、どのような約束をしているのか。
こうした約束を担任だけが知っていると、担任以外の大人が対応するときに困ります。
もちろん、個人情報やデリケートな内容の扱いには注意が必要です。
文書で共有する場合は、どこまで書くか、誰に共有するかを管理職と相談しておくとよいです。
大切なのは、子どもに関わる大人が、できるだけ同じ方向で支援できるようにすることです。
自分もチームに貢献できる仕事を持つ
相談しやすい関係は、頼るだけでは作れません。
自分もチームに貢献することが大切です。
といっても、特別なことをする必要はありません。
たとえば、
掲示物の準備。
プリントの印刷。
図工や生活科の教材準備。
共有フォーマットの作成。
合同体育でのT1。
行事のちょっとした準備。
月ごとの教室掲示の作成。
こうした仕事は、誰がやってもよいけれど、誰かがやってくれると助かる仕事です。
自分ができる範囲で、そういう仕事を一つか二つ引き受けておくと、チームの中での関係性は作りやすくなります。
これは、恩を売るという話ではありません。
自分もチームの一員として動いている。
自分も周囲の仕事を少し支えている。
だから、困ったときに相談しやすくなる。
そういう感覚を持ちやすくなるということです。
少経験のうちは、分からないことを相談する場面が多くなります。
だからこそ、自分にできる仕事を探して、チームに返していく意識を持つとよいです。
また、日頃の挨拶や感謝の言葉も大切です。
「ありがとうございます」
「助かりました」
「先ほどの声かけ、勉強になりました」
こうした一言を言葉にして伝えるだけでも、相談しやすい関係は作りやすくなります。
同僚の子どもへの関わり方を見る
同僚との関係づくりでは、その先生の子どもへの関わり方を見ることも大切です。
学級経営観や子ども観を、真正面から聞く機会は多くありません。
しかし、普段の子どもへの接し方を見ていると、その先生が何を大切にしているのかが少しずつ見えてきます。
朝の教室での声かけ。
休み時間の関わり方。
掃除の時間の指導。
合同授業での動き。
子どもが困っているときの距離の取り方。
叱る場面と見守る場面の使い分け。
こうしたところに、その先生の考え方が出ます。
そして、それをきっかけに相談することもできます。
「A先生のクラスのBさん、今日の授業ですごく集中していましたね。普段、どんな声かけをしているんですか?」
「さっきの場面で、すぐに注意するのではなく少し待っていましたよね。ああいうときは、どこを見て判断しているんですか?」
このように、子どもの具体的な姿をきっかけにすると、自然に話を聞きやすくなります。
同僚との関係づくりは、大人同士の雑談だけで作るものではありません。
子どもの姿を一緒に見て、その見方を学び合うことでも作られていきます。
相談しやすいチームは、日頃の積み重ねで作る
情緒学級の担任は、一人で子どもを支える仕事ではありません。
子ども本人。
保護者。
特別支援学級の担任。
交流学級担任。
支援員の先生。
特別支援教育コーディネーター。
学年主任。
管理職。
養護教諭。
さまざまな人と関わりながら、子どもを支えていく仕事です。
だからこそ、相談しやすい関係を日頃から作っておくことが大切です。
困ったときに早めに相談する。
相談するときは、自分で考えたところまで持っていく。
子どもの情報を共有する。
相手への感謝を言葉にする。
自分もできる仕事でチームに貢献する。
必要なことは、管理職や学年主任にも早めに共有する。
こうしたことを積み重ねていくことで、少しずつ相談しやすいチームになっていきます。
情緒学級の担任に必要なのは、全部を一人で完璧にこなす力ではありません。
子どものために、自分で考えること。
必要なときに相談すること。
周囲の力を借りること。
そして、自分もチームの一員として動くこと。
その積み重ねが、子どもを支える安定したチームづくりにつながっていくと思います。