「特別支援学級って、どんな学級なんだろう」
「通常学級と何が違うの?」
「そこで子どもたちは何をして過ごすの?」
初めて特別支援学級について調べると、このような疑問を持つ方も多いと思います。
特別支援学級は、小学校や中学校の中に設置される、障害のある子どもが少人数で学ぶ学級です。
子どもの実態に合わせて、学習の進め方や教室環境、支援の方法などを調整しながら学んでいきます。
平たく言えば、「その子が学びやすい条件を、通常学級より細かく整えやすい学級」 と考えるとイメージしやすいかもしれません。
ただし、特別支援学級は、単に「少人数でやさしく教える場所」ではありません。
授業の組み立て方、教室環境、交流学級との関係、自立活動、個別の計画、保護者や校内との連携など、さまざまな要素がつながって成り立っています。
この記事では、特別支援学級の全体像をできるだけ分かりやすく整理しながら、
「特別支援学級とは何か」
「そこで何をするのか」
を、初めての方向けにまとめます。
通常の学級・通級・特別支援学級・特別支援学校との違い
まず、学校にはいくつかの「学びの場」があります。
障害のある子どもの学びの場としては、大まかに次の4つをイメージすると分かりやすいです。
| 学びの場 | 大まかな特徴 |
|---|---|
| 通常の学級 | 通常学級に在籍し、必要な配慮や支援を受けながら学ぶ |
| 通級による指導 | 通常学級に在籍しながら、一部の時間だけ特別な指導を受ける |
| 特別支援学級 | 小・中学校の中にある少人数の学級に在籍し、実態に応じた教育を受ける |
| 特別支援学校 | より専門的な教育や支援を受ける学校 |
特別支援学級は、この中では
「通常の学級よりも、より個別的な支援をしやすい学びの場」
という位置付けになります。
ただし、これは「通常学級より下」「特別支援学校より上」といった単純な話ではありません。
子どもの障害の状態や教育的ニーズ、本人や保護者の意向などを踏まえながら、どの学びの場が適切かを考えていきます。

学びの場の考え方や就学先を検討する際の基本的な考え方については、文部科学省の「障害のある子供の教育支援の手引」で詳しく整理されています。制度面まで確認したい方はこちらも参考にしてください。
特別支援学級にはどんな種類がある?
特別支援学級には、制度上いくつかの種別があります。
代表的なものとしては、
- 知的障害
- 肢体不自由
- 病弱・身体虚弱
- 弱視
- 難聴
- 言語障害
- 自閉症・情緒障害
などがあります。
学校によって、どの種別の特別支援学級が設置されているかは異なります。
また、この記事ですべての種別を細かく説明すると話が広がりすぎるため、ここでは 「特別支援学級にはいくつかの種別がある」 という全体像までにとどめます。
このブログでは、私自身の実践経験が多いこともあり、特に自閉症・情緒障害特別支援学級(いわゆる情緒学級) に関する記事を多く書いています。
情緒学級とは何か?情緒学級の特徴や通常学級との違いを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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特別支援学級の障害種別については、文部科学省の「特別支援教育資料」でも正式な区分を確認できます。
特別支援学級では何をする?
では、特別支援学級では実際にどのようなことをするのでしょうか。
一言でいえば、
子どもの実態に合わせて、学習・生活・支援を組み立てながら学校生活を送る
ということになります。
少人数で学ぶ
特別支援学級の大きな特徴の一つは、少人数で学べることです。
少人数だからこそ、
- 一人ひとりの理解の様子を見やすい
- 必要な声かけや支援を入れやすい
- 予定や見通しを分かりやすく示しやすい
- 教室環境を個別に調整しやすい
といった良さがあります。
ただし、少人数だから自動的にうまくいくわけではありません。
教師が、子どもにとって分かりやすい環境や流れを意識して整えることが大切です。
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学年が混在することがある
特別支援学級では、異なる学年の子どもが同じ学級で学ぶことがあります。
例えば、1年生と3年生、あるいは2年生と5年生が同じ教室で過ごす、といったこともあります。
そのため、通常学級のように「同じ年齢の子どもに一斉授業を行う」形だけでは回しにくい場面があります。
異学年だからこそ、年上の子が年下の子を気にかけたり、それぞれのペースで学んだりできる良さもあります。
一方で、授業づくりや学級経営には独特の工夫が必要になります。
複数学年をどう見ていくかについては、こちらの記事で詳しく書いています。
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個別の学習と小集団での学習を組み合わせる
特別支援学級の授業は、必ずしも一斉授業だけではありません。
- 先生と1対1で確認する
- 数人で一緒に活動する
- 自分で課題に取り組む
- 必要なところだけ個別に支援する
といったように、個別の学習と小集団での学習を組み合わせることが多くなります。
「その子に今必要なことは何か」
「一人で進める方がよいのか、誰かと一緒の方がよいのか」
を見ながら授業を組み立てていくことが、特別支援学級の特徴の一つです。
授業づくりの基本は、こちらの記事でまとめています。
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個別の計画を作り、支援を考える
特別支援学級では、子どもの実態に応じて、個別の教育支援計画 や 個別の指導計画 を作成しながら支援を考えていきます。
これは「書類を作ること」が目的ではなく、
その子の実態や目標、必要な手立てを整理し、日々の支援につなげるためのものです。
特別支援学級の支援は、その場その場の対応だけで回るものではありません。
過去の情報を確認し、現在の姿を見て、目標や手立てを考え、実践し、また見直す。
その繰り返しが大切になります。
2つの計画の違いはこちらの記事で整理しています。
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通常の学級と一緒に学ぶこともある
特別支援学級に在籍していても、ずっと特別支援学級だけで過ごすとは限りません。
学校によっては、通常の学級で授業や行事、給食などに参加することがあります。
これが、いわゆる交流学級との関わりです。
交流学級で過ごす時間は、特別支援学級だけでは得にくい経験を積む機会にもなります。
ただし、「たくさん参加すればよい」というものではありません。
その子にとって無理のない形で、意味のある参加になっているかを考えることが大切です。

交流学級については、こちらで全体像をまとめています。
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自立活動とは?
特別支援学級を調べていると、自立活動 という言葉を見かけることがあります。
自立活動とは、障害による学習上・生活上の困難を改善・克服し、よりよく生きていくために必要な力を育てる指導です。
言い方だけ聞くと特別な活動のように感じるかもしれませんが、実際には、
- 気持ちの切り替え
- 人との関わり方
- 予定変更への対応
- 体の使い方
- 自分でやれることを増やす
など、日々の学校生活とつながっている内容が多くあります。
大切なのは、「自立活動らしいネタ」を探すことではなく、
その子が学校生活のどこで困っているのか を見て考えることです。
自立活動の考え方や具体的な見方については、こちらで詳しく紹介しています。
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なお、特別支援学級で特別の教育課程を編成する場合には、自立活動を取り入れることが学習指導要領で示されています。制度上の位置付けを詳しく確認したい方は、文部科学省の学習指導要領解説をご覧ください。
特別支援学級の担任は何をする?
特別支援学級の担任は、ただ授業をするだけではありません。
- 子どもの実態を把握する
- 授業や教室環境を整える
- 個別の計画を活用する
- 保護者と連携する
- 交流学級や校内の先生とつながる
- 記録を残し、支援を見直す
といった仕事を、日々つなげながら進めていきます。
私は実務上、特に
「環境づくり」
「つなぐこと」
の比重が大きいと感じていました。
もちろん、授業や書類づくりも大切です。
ただ、目の前の子どもが過ごしやすい状態を作ること、そして一人で抱え込まず周囲と連携することが、特別支援学級では特に重要だと思います。
担任の仕事内容全体については、こちらの記事で詳しく整理しています。
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特別支援学級の担任は何をする?仕事内容・1年間の流れ
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また、『つなぐ』という役割については、こちらの記事でも詳しく書いています。
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特別支援学級は「個別に合わせて終わり」ではない
特別支援学級というと、
「一人ひとりに合わせて支援してくれる場所」
というイメージを持たれやすいかもしれません。
もちろん、それは大切な特徴です。
ただ、本当に重要なのは、単に個別対応を増やすことではなく、
子どもが学校生活の中で学びやすく、過ごしやすくなるように仕組みを作ること だと思います。
予定の示し方。
教室の環境。
授業の流れ。
交流学級との関係。
自立活動。
保護者との連携。
個別の計画。
こうしたものが全部つながって、初めてその子に合った支援になります。

まとめ|特別支援学級は、子どもに合わせて学び方を組み立てる場
特別支援学級は、小学校や中学校の中にある、少人数で学ぶ学級です。
そこで行われているのは、単なる「少人数指導」ではありません。
- 子どもの実態を見る
- 授業を組み立てる
- 教室環境を整える
- 個別の計画を活用する
- 交流学級とつなぐ
- 自立活動を考える
- 保護者や校内と連携する
こうしたことを通して、その子に合った学校生活や学び方を組み立てていく場です。
このブログでは、特別支援学級の全体像だけでなく、
情緒学級、担任の仕事、交流学級、自立活動、授業づくりなど、それぞれのテーマごとに詳しく記事を書いています。
「もう少し詳しく知りたい」と思った方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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